権力の均衡および相互抑制構造の在り方

憲法概論
12 /18 2019
 近代啓蒙思想以降、権力の均衡と相互抑制の構造として三権分立の構造がとられている。しかし、一口に三権分立といってもそれには大きく2つの類型があり、それらは権力の均衡と相互抑制という終局的な目的は一つにしているものの、権力分立の在り方については相当程度異なっている。

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改憲議論4 自主憲法制定説(押し付け憲法論) 前編

憲法概論
11 /19 2019
 「現在の日本国憲法は、戦後占領下において外国勢力の主導によりつくられたものであるから、日本人の手による自主憲法が必要である」とする自主憲法制定説ないし押し付け憲法論は、改憲議論の中で大きな存在感を示すものである。日本国憲法がGHQの占領統治下において、ダグラス・マッカーサーの意向を強く受けて制憲されたことは余談ない史実であり、かつ、形式的には旧憲法である大日本帝国憲法の改憲という体をとるものの、その過程において主権者の交代(天皇主権から国民主権)という核心的変更がなされている以上、やはりこれは改憲ではなく、外国の意を汲んだ制憲であると評するのが妥当である。

 その意味で、「日本国憲法は外国からの押し付け憲法である」とする主張は正鵠を射ていると言えよう。しかし、この主張については、「我々は、誰によって、何を押し付けられたのか」という問いに基づく精査がなされる必要がある。すなわち、制憲の主体と内容を考えねばならないということである。

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改憲議論 憲法と国民の義務

憲法概論
10 /27 2019
 近現代意味の憲法(または立憲的意味の憲法)は国家の基本構造を示すと同時に権利章典であることは以前述べた。従って、憲法に記載すべき内容は本質的に国民の権利である。では、憲法に国民の義務を記載することは妥当であるのか、また妥当であるとする場合、どのような義務の記載が許容されるのか、それについて検討したい。この検討は、特に緊急事態条項を憲法に盛り込もうとする際、権力による国民の権利制限の射程をどの程度に設定すべきかを画定することに資するであろう。

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改憲議論3 緊急事態条項加憲説

憲法概論
10 /01 2019
 数ある改憲議論の中で、一見最も説得力があるように見えるのが、この緊急事態条項加憲説である。緊急事態においては国家により大きな権限を付与し、公益を私益に優先して早急な復旧復興を図るという発想は、古来より社会集団における協調性と協働に価値を見いだす傾向性のある我等日本民族にとっては、説得的に感じられる。

 しかし、緊急事態条項加憲説は、人権保障という観点からは極めて高度な危険性を孕む主張であり、その条項を憲法に導入するには最大限の慎重さと注意を要するというべきである。しかしそれを考えるには、まず憲法の社会契約的性質について理解しなければならない。

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改憲議論2 新しい人権加憲説

憲法概論
09 /02 2019
 日本国憲法制憲(改憲)後、70余年の月日が経ち、その間に制憲当初には人権カタログに列挙されていなかった新しい人権が司法の法規創造的作用によって保障されるべき新しい人権として認識されるに至った。具体的には、プライバシー権と知る権利、そしてそれに準じるものとして環境権がその好例である。前2者は憲法上保障される新しい人権であるとしてまず異論なく、環境権についてもそれを新しい人権として認める向きが大勢を占めている。

 改憲を主張する者の中には、これら日本国憲法制憲後(明治憲法からの改憲後)に誕生し、広く認識されるに至った新しい人権を、明示的に日本国憲法の人権カタログに追加しようという主張がある。なるほど、解らない話ではない。近現代的憲法は権利章典の性質も有しているのであるから、保障されるべき人権カタログはより充実しているに越したことはない。

 では、この「新しい人権加憲説」は受容されてしかるべきものなのであろうか?

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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。