実質的平等実現の要請

所感雑感
08 /14 2019
 経験を経て学習し、より善くあろうとする意思を磨く、その反復によって人はより善く仕上げられていく。人間存在には自己実現の段階と自己破滅の段階の両面があり、自己破滅の段階が深まる程、他者への同情心、協調性を失い、終には自己の存在意義をも全く失うことになる。
 そこに他者への攻撃の感情が付加されるとき、拡大自殺や無慈悲な凶悪犯罪等の非常へと向かわせる。犯罪の抑止のためには、各人が、経済的な能力ではなく、各人に備わった固有の能力に基づいて自己実現の段階を向上させていくのが最善である。

 また、自己実現に失敗した場合でも、再挑戦できる環境が実質的に整備されている必要がなければならず、かつ、自己実現の不十分さを独力で充足できない者に対しては、富の強制的な再分配によって、健全な状態へと回帰させることが不可欠であると考える。なぜなら、勝者も敗者もともに等しく人間であり、いずれも相応の幸福を追求する、揺らぐことのない権利を有しているからだ。

 競争それ自体は否定されない。競争は人類の文化的(科学、芸術、宗教)進歩の原動力である。しかし、勝者と敗者が同じ人間存在である以上、勝者総取りは許容されるべきでなく、富の分配、すなわち幸福の追求において両者の間に極端な差を生じることは望ましいことではなく、権力による父権的介入をもってしてでも富の偏在を生ずべきでなく、特に自己破滅の段階にまで追い込むことは避けるべきである。

 人間存在は、尊厳と権利において平等であるのみならず、現実の人生における実質においてもなお平等でなければならない。
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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。