競争と人間のあり方について

その他
05 /24 2019
 競争はあらゆる面で進歩を促し、人間社会を前進させる原動力となることは否定できない。競争という要素がなければ、我々が現在のような繁栄を享受することはおそらくなかったであろう。そのことは、「競争それ自体は悪ではない」という著名な格言が如実にそれを物語っている。また、出生においても、その過程が競争的であるからこそ環境により善く適応したより優れた個体が生を得られるのであり、結果、自己保存と種の保存を図ることができるのである。
 しかし、競争には負の側面がある。それは敗者の遺棄である。競争は必ず小数の勝者と、圧倒的大多数の敗者の創出という事態に帰趨する。

 ここで重要なことは、敗者なくして勝者は存在しえないという事実である。即ち、敗者の存在が勝者を生かしているのであり、敗者の犠牲こそが勝者の獲得物である。そして、人間存在が原則的に平等なのであるとすれば、勝者の富を敗者に分配し、敗者の損失を補充することをもって社会の経済的平等を図ることは必然となる。故に、累進課税は競争を是認する社会においては当然であり、政府がその機能として富の再配分を積極的に推し進めることもまた自然な成り行きであるはずである。

 従って、消費税のような逆進性をもつ税制の導入は、その使用目的が社会的保障の財源となることに局限されない限りは、極力回避されるべきであると言えるであろう。「敗者なくして勝者無し」という相対的関係を記銘しておくことこそが肝要である。
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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。