リージョナリズムを実現するために

覚え書き
05 /23 2019
 リージョナリズムが成功するためには、政府、通貨及び信用、並びに人々の同胞観が完全に共有されなければならない。他方、科学技術、宗教、芸術等の文化的価値観については各々の独自性が自由に認められ、理解と尊重を得る必要があり、不当な侵害を受ける状況を回避しなければならない。だとすれば、リージョナリズムの妨げとなるものは文化的特性と政府、信用、同胞観に齟齬がある場合である。そして最も事態を難しくするのは、両社が一体不可分に接着している場合であろう。こうした場合でも我々人間存在は、「人類である」という概念を連結点として統合することは可能なのであろうか?
 例えば、ムスリムの人々にとっては政治的信条と宗教的信条がほぼ一体的に結合していると言い得るほどに大きいので、彼らと民族が共有されるひとつのリージョンを構築することは、完全に不可能ではないにしても想像を絶する困難さを呈すると言うべきである。もし仮に、今後ムスリムの人々の間に近現代化の萌芽が見られ、政教分離が進むような事態に発展すれば他社会とのリージョン構築の可能性も見えてくる。文化的(特に宗教的な)自己同一性と政治経済的な価値観との分離こそが近現代化を促し、さらにその先に通じる扉を開ける鍵であると確信する。

 全世界的な民主的方法によって世界政府を樹立し、強国の野心と弱小国の無謀や混乱を抑制し、真の世界平和を実現することは第二次大戦後に人類が抱いた壮大な夢であった。これを「戦後スキームの失敗」と切り捨てて、再び戦前の混とんとした無秩序な世界に国際平面を引き戻すべきではない。

 そのためには、グローバリズムと結合した新自由主義が遍く世界にもたらした経済的格差と不平等を是正しなければならない。その鍵をなんとか見つけ出したいと思う次第である。
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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。