改憲議論4 自主憲法制定説(押し付け憲法論) 前編

憲法概論
11 /19 2019
 「現在の日本国憲法は、戦後占領下において外国勢力の主導によりつくられたものであるから、日本人の手による自主憲法が必要である」とする自主憲法制定説ないし押し付け憲法論は、改憲議論の中で大きな存在感を示すものである。日本国憲法がGHQの占領統治下において、ダグラス・マッカーサーの意向を強く受けて制憲されたことは余談ない史実であり、かつ、形式的には旧憲法である大日本帝国憲法の改憲という体をとるものの、その過程において主権者の交代(天皇主権から国民主権)という核心的変更がなされている以上、やはりこれは改憲ではなく、外国の意を汲んだ制憲であると評するのが妥当である。

 その意味で、「日本国憲法は外国からの押し付け憲法である」とする主張は正鵠を射ていると言えよう。しかし、この主張については、「我々は、誰によって、何を押し付けられたのか」という問いに基づく精査がなされる必要がある。すなわち、制憲の主体と内容を考えねばならないということである。

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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。