自由率

憲法概論
06 /30 2019
 自由であるということは、眼前に広がるあらゆる可能性の中から失敗のないように自己の特性を最も有意義に活かせる選択肢を自律的に選びとるということであり、「権利がある」ということはそれを行使するに足るだけの義務を果たさねばならないということを意味する。自由と放縦は異なる。なぜなら、生きることを運命づけられたことが人間の自然的な本性であるという仮定が正しい限り、自己破滅的な選択はその本性に反し、許容されないからである。

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人間の本性について

覚え書き
06 /30 2019
 食べて、眠り、繁殖する。動物の本性はそれらに集約される。ならば、動物の一種である我々人間の本性もまたそこに集約されるのであろうか。むろんこれらの要素は人間存在にとっても生存と種の保存の為に不可欠の要素であることは間違いない。しかし、人間は他の動物とは異なり、事理善悪を直観するとともに同情と憐憫という他の動物には知覚できない感覚を感受し、美、徳、正義といった人間存在に固有の概念を理解する。故に、三大欲求に加えて、幸福を追求し、自己実現を果たしたいという第4の欲求を持つ。

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人間の社会性と経験に関する考察

所感雑感
06 /29 2019
 人間は、経験を介した学習によって、特定の振る舞いが齎す結果を予測することができる。ならば、経験の蓄積によってより善い選択を為すことは可能であろうか?これについては2つの点で不可能であると考える。

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社会における勝者と敗者に係る考察

所感雑感
06 /29 2019
 我々はとかく見過ごしがちであるし、当然とさえ認識しているきらいがあるが、自由市場における行為主体は勝者だけではなく敗者やフリーライダーが含まれ、その全部で競争は成り立っている。著名な格言が示す通り「競争それ自体は悪ではない」し、競争によって技術は革新され新しい富が創造されているのは間違いのないことである。しかし、競争の勝者のみが富を一手に掌握し、敗者は徒労に終始するに甘んじるより外ないという認識は誤謬である。蓋し、圧倒的多数の敗者が競争に参加したからこそ勝者は誕生できるのであり、フリーライダーもまた、市場では消極的ではあるにせよ消費行動に参加して市場における勝敗の決定を左右している。そして、何より看過してはならないことは、自由市場経済における競争とは(民主的な過程を経て構成されたことを前提とする)政府が準備した公共インフラを介して行われるという事実である。

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公私に係る憲法の境界画定機能と自由率

憲法概論
06 /29 2019
 人間社会において公私の境界を画定する法技術的機能を憲法は備えている。権力の構造と権限を定めることによって公権力の及ぶ範囲の限界を画定する近現代的憲法は、公私の境界を識別する基準となり得る。近現代憲法に基づいて、主権者たる国民から正統な権限移譲を受けて構成される立法府(議会・国会)が制定する法律が正統性と正当性の両面において憲法の篩にかけられることで、公権力がどこまで私的領域に踏み込んで権利を付与し、義務を課すことができるかという、議会制定法即ち公権力の及ぶ射程が定まるのである。このように、私人と公権力における垂直的関係については、憲法の立憲的機能を介して、私人と公共の境界を画定することができる。

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国際社会はどこへ向かおうとしているか

所感雑感
06 /28 2019
 人類の理想の大方の趨勢としては、民主制を目指し、諸民族間の価値観の違いや多様性を理解しつつも、人間であるということを連結店として緩やかに融和・共存する途を模索すべきである。少なくとも、第二次世界大戦直後まではまちがいなく、そのような在り方を模索していた。しかし、今やどうであろうか?

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主観が世界の中心であること

所感雑感
06 /23 2019
 世界は主観によってその内面に構築され、あらゆる客観は当該主観の知覚を通して認識されるのみであるから、客観の実存の真偽を問うことは無意味である。なぜなら、客観の実存が真であるとしても、それを認識し、作用を及ぼし、影響を被る主観の存在が偽であれば、その客観の存否は何らの意味も持たないからである。

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人が生きるということ

所感雑感
06 /23 2019
 「同情と共感によって多様性を理解し受容する」。言葉にするのは簡単だが、実際は困難を極める事柄である。この世界には膨大な数の人格や特性、性向があり、優しい、厳しい、親切な、ぶっきらぼうな、敵対的な、等々枚挙にいとまがない。しかも、一人の人間がひとつの特性だけを持つわけではなく、幾つもの特性を複雑に組み合わせた状態で有しており、しかもその複雑さの中にはしばしば自己矛盾すら確認されるわけであるから、このような特性を抱く人間が相互理解のもとに平和的に共存するなどということは当に奇跡に近いというべきかもしれない。

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神(真理)と人間

所感雑感
06 /23 2019
 私は、神(真理)の存在を否定できない。なぜなら、それが絶対に存在しないという根拠をどうしても見出せないからである。しかし、その一方で神(真理)の存在や在り様を追求することは我々人間にとっては無益であるとも考える。というのも我々の認知能力にはそれを知性、理性、または悟性と如何に名付けるにしろ、「ある種の意図的な鍵」によって限界が設定されているからである。

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地球環境の問題について

所感雑感
06 /22 2019
 地球にとってみれば、我々人類は手前勝手に有限の地球資源を貪り、使い尽くす最悪の害獣であろう。ほんの数百年前迄、我々の消費する資源量は種類・量ともにたかが知れており、地球環境それ自体を、人間を含めたあらゆる生命の維持を困難にする程の影響力を有してはおらず、個々の生存の保持とわずかな贅沢は地球全体にとってはそれほど過酷な負担ではなかった。

 しかし、産業革命以降様相は一変し、石油を汲み尽くし、森林を侵食しては居住地を拡大していき、大地の恵みたる農作物を片端から貪り続け、あまつさえ大量の産業廃棄物を遺棄し続けている。水資源もまた同様で、ごくわずかしか存在しない地球上の真水を巡って争い奪い合っている。地球規模で見たとき、人口が爆発的に増加の一途を辿っている今、経済的な実質的平等が仮に実現して70憶に迫る数の人々が欧米や日本の生活水準に到達すれば、おそらく地球資源は瞬く間に枯渇し、人類は人間存在の持続可能性に自ら止めを刺すことになるであろう。しかし、問題はこれだけにとどまるであろうか?

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第三次世界大戦の可能性

所感雑感
06 /22 2019
 今、世界中にきな臭い匂いが立ち込めている。第二次世界大戦後に世界平和の名手となるべきアメリカは自国第一主義を唱え、同大戦で漁夫の利を得たロシアと、被害国であった中国は共に覇権に向けた野心を隠そうともしない。また、かつての大英帝国はヨーロッパの統合に冷や水を浴びせた。中東、アフリカ、中南米はあいかわらず不安定であり、大国の思惑に右往左往する姿が目立つ。科学技術と経済だけが無秩序に暴走して世界を覆いつくそうとする中、人類は今、どこに向かおうとしているのであろうか?

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暴力と生命

所感雑感
06 /22 2019
 動物は暴力、すなわち物理的あるいは筋力的な能力の強弱をもって雌雄を決する存在である。人間もまた動物である以上、究極的にはそうするであろうし、人類史を振り返れば事実それを繰り返してきた。

 しかし、人間と他の動物とは画然と区別される。なぜならば、人間は死すらも自律的に、時には利己的に選択する性質をもった唯一の動物であるからである。従って、人間は、暴力や構想、あるいは威嚇とは異なる方法で相互の衝突を回避すべき存在であるというべきである。

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今の日本の生き難さの正体

覚え書き
06 /09 2019
 他殺、自殺、拡大自殺、危険行為、詐欺、自発的失業(ひきこもり)、不登校、不適切な情報発信等々、現在の日本には対応すべき課題が山積しており、しかもこれらの諸問題は日々その件数を増し、深刻さの度合いを色濃くしているように思えてならない。第3位に転落したとはいえ、個人のGDPでいえば未だに世界第2位を堅持し、長く続いたデフレスパイラルとそれによる不況からも脱却しつつあると報じられるここ最近でさえ、我々日本人を取り巻く社会環境には改善の兆しが見えるどころか、悪化の一途を辿っているいることを示すような事件が日々生じている。一体全体、こうした好ましからざる社会現象の要因や理由は何なのであろうか?

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競争とその必要性

覚え書き
06 /09 2019
 人間は本質的に競争的な存在である。そもそも生物学的に勝利した遺伝子のみが生き残り新たな生命を紡ぐのであるから、競争それ自体は悪ではないというより外ない。むしろ競争によってより善く人格が仕上げられ、自己実現を目指して前進することができるのである。よって、競争は人間にとっては不可欠の要素であるとさえいうことができよう。しかし、競争には必ず「勝敗」の概念が付きまとうこともまた事実である。

 勝利は確かに喜ばしいことではある。しかし、勝者が常により善く優れ、敗者は常に悪しく劣ると観念する必然性はない。むしろ圧倒的多数の敗者が存在して初めて勝者は勝者たり得るのであり、「敗者なき勝利」などあり得ない。従って、敗北は競争という事柄を構成する不可欠の要素と言いうべきである。しかし、もしそうであるならば、勝者のみが大きな富に与り、敗者は貧困を甘受するより外ないという発想は必ずしも正しい考え方ではないと解すべきである。

 こうして考えてみると、富の分配については競争の結果、即ち勝敗の事実によってではなく、競争に参加したという過程を考慮してなされるべきといえなくはないだろうか?

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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。