更新予告

その他
02 /17 2020
――― 更新予告 ―――――

 次回は、改憲議論に関し、他国が幾度も改憲を重ねる一方で、日本国憲法が制憲後70年以上一度も改憲されていないことの是非について論じます。

 日本国憲法は制憲後70年以上、約3/4世紀にわたって一度も改憲を経験していません。その間に、世界は朝鮮戦争から冷戦を経て、テロとの戦い、そしてロシア・中国の台頭へと遷移し、その様相は一変しました。しかしその間も日本国憲法はその在り方を変えず現在に至っています。こうした時の経過を経て、日本国憲法が実現すべきと要請する人間の普遍的価値もまた新しい段階へと進み改憲の機は熟したのか否か、また、この間にも多くの国で憲法が改正されていることを評価すべきか、イギリス憲法、アメリカ憲法、フランス憲法、ドイツ憲法との比較を中心に論を進める。

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改憲議論4 自主憲法制定説(押し付け憲法論) 後編

憲法概論
01 /17 2020
 日本国憲法が、第二次世界大戦(太平洋戦争)敗戦後、連合国の占領統治下において米国主導で制憲された憲法であることは疑いようのない史実である。従って、「日本国憲法は連合国による押しつけ憲法である」という主張はある一面正鵠を射ていると評価することができる。また、大日本帝国憲法からの改憲の体をとってはいるが、主権者の交代という核心的事項の変更を伴うので、日本国憲法は事実上、外国の主導により新規に制憲された憲法であるというのは大過ない事実である。

 それでは、「日本国憲法は連合国(主として米国)によって押し付けられた」というとき、我々日本民族は果たして何を押し付けられたのであろうか。

 こう問うとき、大凡の場合、「押し付けられたのは他でもない9条であり、それによって我々は永遠に牙を抜かれた」という答えが返ってくる。しかし、その認識は本当に正しいのであろうか。

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権力の均衡および相互抑制構造の在り方

憲法概論
12 /18 2019
 近代啓蒙思想以降、権力の均衡と相互抑制の構造として三権分立の構造がとられている。しかし、一口に三権分立といってもそれには大きく2つの類型があり、それらは権力の均衡と相互抑制という終局的な目的は一つにしているものの、権力分立の在り方については相当程度異なっている。

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改憲議論4 自主憲法制定説(押し付け憲法論) 前編

憲法概論
11 /19 2019
 「現在の日本国憲法は、戦後占領下において外国勢力の主導によりつくられたものであるから、日本人の手による自主憲法が必要である」とする自主憲法制定説ないし押し付け憲法論は、改憲議論の中で大きな存在感を示すものである。日本国憲法がGHQの占領統治下において、ダグラス・マッカーサーの意向を強く受けて制憲されたことは余談ない史実であり、かつ、形式的には旧憲法である大日本帝国憲法の改憲という体をとるものの、その過程において主権者の交代(天皇主権から国民主権)という核心的変更がなされている以上、やはりこれは改憲ではなく、外国の意を汲んだ制憲であると評するのが妥当である。

 その意味で、「日本国憲法は外国からの押し付け憲法である」とする主張は正鵠を射ていると言えよう。しかし、この主張については、「我々は、誰によって、何を押し付けられたのか」という問いに基づく精査がなされる必要がある。すなわち、制憲の主体と内容を考えねばならないということである。

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改憲議論 憲法と国民の義務

憲法概論
10 /27 2019
 近現代意味の憲法(または立憲的意味の憲法)は国家の基本構造を示すと同時に権利章典であることは以前述べた。従って、憲法に記載すべき内容は本質的に国民の権利である。では、憲法に国民の義務を記載することは妥当であるのか、また妥当であるとする場合、どのような義務の記載が許容されるのか、それについて検討したい。この検討は、特に緊急事態条項を憲法に盛り込もうとする際、権力による国民の権利制限の射程をどの程度に設定すべきかを画定することに資するであろう。

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椎央権太

日本国憲法の意味と真価を記録しておきたいと思い執筆しています。護憲的な記述が多く見えますが、不動の護憲派というわけではありません。憲法とは如何なるもので、改めるべき時宜はいつなのかということを書き残せればと思っています。